3. 環境事業の将来ビジョン
(1) 環境事業の将来ビジョン
1) 財団の環境事業の将来の方向性
運輸交通と環境問題の関連は、局地的なものから地球規模にまで及び、その対象も温暖化ガス、大気汚染、騒音・振動、海洋汚染、酸性雨等多様であり、短期的な問題から長期的な問題までが含まれる。
当財団における環境事業の社会的使命は、このような広範な対象を視野に置きながら、財団の既存資源を考慮した短期的に実行可能な事業をてがけつつ、長期的に運輸交通との関連の中で、地球温暖化への対応、循環・省資源型社会の実現、持続可能な社会を構築することにある。
そこで、1章に示したように「持続可能な循環・省資源型社会を実現」する交通としての「エコ交通」と、エコ交通を運輸・交通体系の中心に据えた「エコ交通社会」を考え、この実現を図ることを、当財団の社会的使命とした。
エコ交通とエコ交通社会を実現するために、より具体的には、2章で定義した以下の事業を行うものである。
1] エコ交通の価値観づくり
2] エコ交通のしくみづくり
3] エコ交通事業支援(1]、2]をサポートする事業としての位置づけ)
4] エコ関連事業
事業実施のあり方においても、従来から実施している普及啓発、調査研究、モデル事業を核としながら、より社会的な要請が高く、公共ベンチャー的な独創性の発揮できる具体的な行動を伴う事業の実施を行っていく。ただし、実施のプロセスや環境問題と運輸交通の係わり等における評価・アセスメント機能を強化し、また実施された事業についてはその後の評価を適宜行い、効果や独創性等の視点で考察を行い、修正を適切に行っていく。
事業の対象者も、事業者、消費者、自治体を含む行政担当者、海外等幅を広げ、それらとの連携を図っていく。
上記により、エコ交通社会実現のための新しい価値観と行動様式を定着させ、エコ交通社会実現のための新しい社会システム作りの支援を行うという社会的使命に基づく事業を推進することで、エコ交通社会の実現に貢献していくことが、当財団としての環境事業ビジョンの基本といえる。