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従来は、運輸・交通に対しては利便性や快適性を重視するニーズが強かったが、最近は以上のような環境への対応を重視するニーズも強くなりつつある。また、快適性の一つとして景観の快さや自然との共生という考え方が重視され始めている。

循環・省資源型社会への移行に伴い、運輸・交通への要求も「個別ニーズ対応」から「社会ニーズ対応」へと変わりつつある。環境の重視や高齢社会への対応といった社会ニーズ対応型の交通を「持続可能な交通」ととらえる考え方もあるが、まさにこれこそが今後の運輸・交通の基本的方向といえよう。

○エコ交通社会のイメージ

「持続可能な交通」のうち、特に環境への対応を重視するような「社会ニーズ」対応型の運輸・交通、すなわち「持続可能な循環・省資源型社会を実現する交通」を、ここでは「エコ交通」と定義する。また、エコ交通を運輸・交通体系の中心に据えている社会を「エコ交通社会」と定義する。

エコ交通社会は、これからの運輸・交通に対する環境面からのニーズに応える社会であるが、次に述べるように、運輸・交通に関わる当事者(個人・事業者)、及びそれらの集合体としての社会・産業の両面から環境への配慮がなされている社会といえる。

1] 運輸・交通に関わる当事者による環境配慮、すなわち運輸・交通からの環境への影響が減少するような新しい生活スタイル・ビジネススタイル(エコ交通スタイル)が定着している。

・運輸・交通に関わる個人による環境配慮(エコ交通生活スタイル、エコツーリズム等)

・運輸・交通に関わる事業者による環境配慮(エコ交通ビジネススタイル等)

2] 運輸・交通に関わる社会・産業による環境配慮、すなわち運輸・交通からの環境の影響が減少するような新しい運輸・交通システム、あるいはそれらを含む社会システム(エコ交通システム)が普及している。

・環境への影響を減少する人流システム(パークアンドバスライド等)

・環境への影響を減少する物流システム(モーダルシフト、共同配送システム等)

・環境への影響を減少する社会システム(リサイクルシステム、静脈物流等)

 

 

 

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