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b. センシティビティ・プログラムに関する取り組み

 

MRCは主として障害者の自立生活を支援する職業リハビリテーションを行っている。そのため交通事業者ではなく障害者のトラベル・トレーニングが主体である。トラベルトレーニングについてはMRCが行うのか、交通事業体が行うのかという問題はあるが、いずれの場合もカバーしきれない人がいるのが課題である。

トラベル・トレーニングの内容は、時刻表の見方、料金の払い方、バスを降りて職場までの道のり等、各段階で徐々にヘルプを減らしていき、自力で通勤できるようにする。当事者のニーズによってジョブコーチ(就労するための訓練を行う人)をつけたりする。年間でおよそ4,800名を職場に送っている。

マサチューセッツ州内でも公共交通のないところが多く、サービスを受けられない人がいる。そのためライドシェアリング(自家用車による相乗り)も障害者用に利用できないか検討中である。また、同じ種類の交通機関であっても、事業者ごとに料金や利用基準が異なるサービスを提供している場合がある。それをまとめて効率化できないか検討している。

 

5]交通開発センター(TDC : Transportation Development Center)

 

a. 組織の概要

 

・ 組織の目的

 

交通開発センター(以下TDC)は、カナダ運輸省の中心的研究開発機関である。1970年に、TDA(Transportation Development Agency)として同省により設立され、現在はTDCに改組している。

主な目的は、交通システムの安全性の確立、アクセシビリティの向上、環境の保護にある。運輸省の戦略目標を達成すべく、技術的能力の強化、交通の技術革新を促すことを任務としている。

 

・ 組織の運営

 

組織は、エグゼクティブ・ディレクターを筆頭に、エンジニア、プランナー、エルゴノミスト(人間工学者)、およびエコノミストの複合チームによってプロジェクトを形成している。研究ライブラリーおよび出版部門があり、情報およびコミュニケーション・サービスを提供する。スタッフは50名で、現在は100以上のプロジェクトが進行中であり、98年度のプロジェクト基金はおよそl,000万ドルである。

 

 

 

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