5]必要とされるトレーニング(Required Training)
運輸省ADA規定は公共交通従事者に総合的なトレーニング・プログラムを受けることを義務付けている。多くの障害者は公共交通の利用に不慣れな場合が多く、それをサポートする乗務員のトレーニングの実施は差し迫った課題である。トレーニングには、運転手へのアクセシビリテイ装置の安全な操作方法のトレーニング、シートベルトを締めるなど、障害者が固定装置を使用する手助けのトレーニング等が含まれる。
路線バス等の事業者もデマンド方式の事業者も、公共・民間事業者に限らず障害者に対して丁寧で親切な対応をするよう、それぞれの職員を教育しなければならない。また、運転手は障害者の中でも様々な障害の種類があることを考慮し、理解できるような教育を受ける必要がある。
5. 施設送迎などの民間交通サービス(Private Transportation)
1]ツアー・オペレーター、空港シャトルバス、シャトルバンサービス(Tour Operators, Airport shuttle services and commuter van services)
下表は、交通サービスを主たる業務とする民間の事業者を対象にした、運輸省ADA施行規則の概要である。
2]タクシー(Taxi service)
タクシーサービスは、主として交通事業を実施しているシステムのうち、デマンドサービスの部類に含まれる。タクシー事業者は、アクセシブル車両の購入は義務づけられていない。しかし、バンなどの普通乗用車以外の車両を購入する場合には、アクセシブルなサービスを提供する他の方法がない限り、購入車両をアクセシブルにしなければならない。ADAでは、タクシー会社の禁止事項として ; サービス提供の拒絶、通常より高い運賃の徴収、障害者に対する差別を明示している。
3]ハイデッカーバス(Over-the-road-buses)
1995年12月時点では、運輸省は最終のADA規則を発表していない。またいつ発表するか明確にされていない。このことに照らして、大型ハイデッカーバス事業者の規則への適応期日が、運輸省が最終のADA規則を発表してから2年後という設定で発効するように、議会はADA規則を改正した。