10]補完的パラトランジット(Complementary paratransit)
運輸省ADA規則は、固定ルートシステムを提供する公共事業者に対し、障害者に補完的なパラトランジットを提供することを義務付けている。ただし通勤バス、通勤電車、都市間鉄道はこれには該当しない。
ADAでは、パラトランジット利用適格者を次の3つのカテゴリーに分けて提示している。
カテゴリー1:肉体的・精神的な損傷によって他人の介助なしではアクセシブルな固定ルートシステムを利用できない者。
カテゴリー2:アクセシブルな固定ルートサービスが提供されていないルートを利用する者以外で、固定ルート車両利用の際に乗車補助装置を必要とする者。また、次の条件に当てはまる者。
・乗降車用の設備が整っていないために、アクセシブルな固定ルート車両に乗降車出来ない者。
・現存するアクセシプル車両に適応しない車いすを利用している者。
・アクセシブルでない主要鉄道駅を利用している者。
カテゴリー3:特定の状況によって乗車位置までの移動が妨げられる者。カーブランプなどがない建築的障害、天候などによる環境的障害による障害者はこのカテゴリー内では適格者と認められない。しかし、これらの障害の相互作用によって移動が不可能になる者は、このカテゴリー内の適格者となる可能性もある。
ADA規則はドアツードアの補完的パラトランジットの実施を要求している。しかし、公共事業者は上記のカテゴリー2に当てはまる人々に交通を提供するために、コールバスサービス(電話で呼び出すサービス)かパラトランジット・フィーダーサービス(末端の停留所等から提供される支線サービス)のどちらかを利用することになる。カテゴリー3の人々もアクセシブルな路線バスが利用できる場所(停留所)まではパラトランジット・フィーダーサービスをおそらく利用することになる。
以下のようなその他のパラトランジットサービス施設はADAに従って整備される必要がある。
・利用者にケア・アシスタントやその他の介助者の同行を認めること
・適格者審査には必ず異議申立ての機会を取り入れた方法にすること
・決められた時刻のサービスをどうしても利用できない人のために、時間の延長をすること
・ADAパラトランジット適格者の目的地域内のADAパラトランジットの利用は申請後21日以内に承認すること
補完的パラトランジットの提供が必要とされる各公共事業者は、1992年1月26日までにパラトランジットサービスの規定に沿った計画書を提出しなければならない。この計画書の規則遵守は1997年1月26日までに完成のこと、また1993年1月26日までに規則遵守が不可能な場合は遵守に向けた過程の目標を設置すること、とされている。