資料編
資料1 国内調査
ここでは国内の交通機関の先進的な事例について2件取り上げた。石川県金沢市の「ふらっとバス」、および東京都大田区の京浜運送株式会社のユニバーサルタクシーである。
調査本編では、海外の交通のアクセシビリティを進めるための政策的な仕組みに重点を置いたため、構成上の都合から、国内の事例は資料編で紹介する。
金沢市については、昨年度の報告書ですでに取り上げている。そのため、市の基礎情報およびSTサービスである「メルシーキャブ」については省略する。昨年度の調査後に運行を開始した「ふらっとバス」の事例のみ取り上げることにする。
ユニバーサルタクシーは、ワンボックス型の車両を使ったリフト付のタクシーである。しかし、福祉利用に特化しているわけではなく、一般のタクシーと同じように運行されている。料金も運行システムも通常のタクシーと変わりなく、リフトを装備して車いすの乗客に対応できる点で先進的な事例と言える。
1]金沢市「ふらっとバス」
a. ふらっとバスの概要
現在運行されているのは平成11年3月28日に運行を開始した此花ルートである(図1)。ルートは循環式で一周およそ4.6?、所要時間25分で運行されている。交通結節点である駅前を起点に公共施設や、一般の車両が入れない商店街を運行する。停留所は17ヶ所で、およそ200m間隔で設置されている。商店街ではトランジットモール的にバスの走行帯が300mにわたって設けられ、最徐行で運行される(図1)。