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公共交通が発達していない、もしくは成立しない地域のモビリティの確保は重要な課題であり、重大な問題を含んでいる。わが国でも過疎地域や山間部で、公共交通の空白地域が少なからず存在している。そうした地域では同時に高齢化が進展しているため、日常生活を支えるための地域交通の確保は喫緊の課題と言える。

いま述べたような観点から、地方の過疎地域等における交通の課題に焦点を当てることは大きな意味を持つ。しかし、本調査では、主として中央政府レベルの政策と大都市部の交通システムを調査対象としていたことから、地方の状況が十分に把握しきれていない。

一方で、アメリカのCTAA、MARTAの活動、カナダのバンクーバーにおけるバンクーバー都市圏以外を管轄するBC Transitの役割等、地方の実状を一部ではあるが把握できたことは幸いである。地方の公共交通の現状に視点を向けることは、今後の調査において十分に反映させるべき点である。

 

 

 

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