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事業者の努力と上記の支援策等により、公共交通の主要なターミナルにおける高齢者・障害者等のための施設整備は、現在では表4-1-2に示す整備状況になっている。しかし、移動の基本的な支援施設となるエレベーター、エスカレーターの設置は費用や設置スペース等の制約から、他の施設に比べて整備率が低くなっている。

また、平成11年度(平成11年4月1日現在)の整備計画(平成12年3月31日までに供用開始予定のもの)は、エレベーターが28事業者、101駅、エスカレーターが24事業者、141駅で進められる予定である(新線、新駅を除く)。

運輸省では交通施設バリアフリー化設備整備費補助制度を創設し、鉄道駅を中心とした交通施設のバリアフリー化の推進に取り組んできた。全国の23鉄軌道事業者の90駅のエレベーター、エスカレーター、スロープ、誘導・警告ブロック、障害者対応型トイレ、情報提供表示器等の施設整備に対し国と地方公共団体からそれぞれ50億円の補助の交付を決定している(平成10年度)。対象となる条件は、地上との高低差が5m以上あり、1日の乗降客数が5,000人以上の駅である。JR、大手民鉄、営団・公営地下鉄の対象駅におけるエレベーター・エスカレーターの設置状況を表4-1-3に示した。

 

表4-1-3 エレベーター、エスカレーター設置状況

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注1)データは平成11年3月末

注2)設置駅数は1基でも設置(障害者対応型とは限らない)されていればカウントしている。

出所)運輸省資料

 

鉄道ターミナルを中心とした施設整備以外にも、バスやタクシーなどの車両やサービスにおいてアクセシブル化が進んでいる。車両は交通エコロジー・モビリティ財団の助成等により、リフト付バス等の導入が進んでいる。

武蔵野市の「ムーバス」や、西日本鉄道が博多・天神地区で運行する「100円循環バス」など、新しい運賃体系によりソフト面で利用のインセンティブを付与しているサービスも見られる。また京成電鉄、新京成電鉄、国際興業の各社では高齢者向けの自社路線専用の割引定期券を発行するなど、新たな試みがはじめられている。

金沢市では従来の路線バスとは異なるコミュニティ型のバス「ふらっとバス」を導入した(資料1)。小型の低床車両を使い、誰にも使いやすいシステムとしている。わかりやすい時刻表、運賃体系、生活道路に入り込む経路の設定、トランジットモール化による商店街の通行など、利用者の利便性を高めるための試みを行っている。今後も路線を拡大する計画が進められている。

また、新たな動きとして全国的に福祉タクシーや介護タクシーが普及し始めている。車いすの使用者をはじめ高齢者・障害者等の輸送を目的とした福祉タクシーは、リフト付のワンボックス車両などで運行されている。

 

 

 

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