今後20年間の将来構想では、その財源確保がもっとも困難とされている。京都会議での取り決めである、90年レベル比10%offという二酸化炭素の排出量の削減も差し迫った課題である。
現在のグリーン・ゾーン(緑地帯)は開発せず、残す方針である。そのため、スカイトレインの駅前を中心として、市街地に高密で効率的な高層住宅を誘導している。都市圏内では7つの重点地域を定めて開発を進める予定で、それに対応してスカイトレインも延伸することになっている。
表3-4-2 活力ある地域を目指すGVRDの戦略プラン(Livable Region Strategic Plan)
出所)C045
表3-4-3 トランズリンクの都市政策に関する主要項目等
出所)C045
トランズリンクができるまでは、Regional System(地域間の有機的なつながり)が存在しなかったといえる。地域行政同士の連携が無くても、実際の人の移動は行政界を超えて行われている。こうした実態に対応するために、広域行政の交通局としての大きな権限を活かした広域的計画の必要が認識された。今後は、車輌ベースではなく、人の流れをベースとした道路計画をすすめる方針を打ち出している。基本的には、人口過密地区に重点的に投資し、公共交通と道路のバランスのとれた開発に重点が置かれることになる。
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