3]自治体におけるアクセシブルタクシー導入の動き
a. オタワにおける単独乗車の運行デモンストレーション
1989年、オンタリオ州交通局とTDCが共同で、通常のタクシーとして運行される、4台のアクセシブルタクシーの試験走行を行った。この結果オタワでは、単独乗車の利用者のニーズに応えるために、50台のアクセシブルな車両(市内の許可車両の5%にあたる)が必要であるということが明らかになった。
b. ケベックシティにおける相乗り運行デモンストレーション
ケベックシティでは、パラトランジットサービスを補完するために、アクセシブルなタクシーの乗合試験走行を行った。アクセシブルなタクシーのドア・ツー・ドア性とミニバスよりも優れたアクセシビリティについて、障害者が高く評価していることが示された。事前予約が不要で、応答時間が早いという点も評価が高かった。ケベック州のアクセシブルタクシーに対する潜在需要は、650万人の人口の10.8%と予測されており、タクシー業界にとって、新たなマーケットである。
c. エドモントンにおける仲介手数料システムの改善
エドモントンではアクセシブルなタクシーシステム(DATS: Disable Adult Transportation System)が1975年4月から運行されている。1985年、TDCからの財政支援により、トリップを最も有効に振り分けるため、仲介手数料の管理を専門に行う新組織を設立した。1990年までに個人ドライバーとの契約数は100人以上に達し、DATSはカナダ最大のタクシー事業者の1つになった。この新システムによる効率的なトリップ配分により、障害を持つ乗客の市場が拡大し、契約ドライバーがアクセシブルな車両を購入する契機となった。
4]パラトランジットからの利用転換
a. パラトランジットの補完サービス