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b. カナダのタクシー事業の仕組み

 

アクセシブルなタクシーの導入については、カナダのタクシー事業の仕組みに関連した、財政上、制度上の課題がある。

タクシー事業の主な資本は車両とタクシーライセンスである。1996年の車両コストは、通常の新車が3万ドル程度、アクセシブルなバンの車両が3.5万〜5万ドルである。ライセンスは市あるいは州が発行する。1台の営業に、1つのライセンスが必要である。ライセンス発行数に制限がある都市では、自治体のライセンス価格が車両価格の数倍に相当する場合がある。このため、ライセンスの取得が新規参入時の大きなハードルになっている。

タクシードライバーには、個人ドライバー(owner-operator)と、雇用ドライバー(lessee-operator)の2種類がある。個人ドライバーは車両を所有し、自身の、もしくは他者が所有するライセンスの下で営業する。多くの場合、ドライバーは限られた資金しか持ち得ない個人の新しいカナダ人(移民が多いことを反映している)のため、個人ドライバーにアクセシブルな車両導入の費用負担を求めることは困難である。雇用ドライバーは、車両とライセンスの保有者に、運賃収入から一定金額を納めて営業する。タクシーの多くは、「タクシー会社」として公認されている仲介業者によって経営され、ドライバーは契約に応じて運賃収入の中からブローカーに仲介料を支払う。収入の大部分が仲介手数料と運行コストに出費されるため、ドライバーの長時間労働が常態化している。

なお、タクシーの運行規定は、通常、市当局によって定められる。ケベック州は例外で、市当局の規則に加えて、州交通局が1993年にタクシー輸送に関する規定を定めている。

 

c. インセンティブプログラム

 

表3-3-10 アクセシブルなタクシー導入のインセンティブ

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