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通常、判断は両者が納得しうるかたち(Good Case)で収められる。また、CTAの扱いになる以前で収まるインフォーマルな事例が多く、年間の判断件数はそれほど多くない(表3-2-6)。例えば98年にはおよそ2,000件の相談電話を受けているが、そのうちCTAが介入したのは表の通りわずか39件である。相談電話は無料で受け付けられるが、大半は「飛行機の予約をしたいがどうずればいいか」等の問い合わせである。表3-2-7にはCTAが実際に判断を行った航空会社と利用者とのトラブルの事例を示した。

 

表3-2-7 紛争解決の事例

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先に述べたように、都市間バスにおける利用者と事業者間のトラブル処理の管轄はCTAではなく、運輸省のアクセシブル交通担当係になっている。苦情申し立てによる紛争解決の処理プロセスはCTAとほぼ同じであるが、異なる点もあるため図3-2-6に示した。

利用者からの苦情申立書はバス事業者と運輸省のアクセシブル交通担当の双方に提出される。事業者は利用者と協議の上、30日以内に回答を出し運輸省、バス協会に報告する。通常はこの段階で解決することが多い。回答に不服がある場合、利用者はさらに事業者および協会と協議を行う。協会は協議結果を運輸省に報告する。第二段階以降のプロセスを経ても解決しない場合、運輸省への直接申立により、独立した調停者を運輸省が選定し、利用者と事業者の調停に当らせる。この調停者は、消費者団体と業界団体の双方の合意のもとに作成されたリストに登録されている人物であり、偏りがないよう配慮されている。また、調停に係る費用は運輸省から支出される。

 

 

 

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