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提出された「苦情申立書」に対して、事業者側が利用者を納得させ得る回答ができなかった場合、利用者はさらにCTAに申し立てることが可能である。申し立てに対して、CTAの担当職員による委員会が設置され交通事業者の対応について審議を行う。審査は全てCTA内で行い外部の専門家等は加わらない。申し立て後、最大でも120日以内には交通事業者の対応に問題がなかったかの判断が下され、必要ならば改善命令が出されることになる。トラブル解決の仕組みを図3-2-5に示した。

 

図3-2-5 CTAのトラブル処理の流れ

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判断基準はコード・オブ・プラクティス(後述)および提出され公開された資料など、全ての人が知り得る事実によってのみ判断される。こうした判断法をナチュラル・ジャスティス(Natural Justice)と呼んでいる。

対象となるのは連邦政府が管轄している航空、鉄道(通勤鉄道含む)、フェリーである。都市間バスは運輸省の直接の管轄なので、CTAにおけるトラブル処理のプロセスとは若干異なっている(後述)。市内バスは州または都市ごとの責任となっているので管轄外である。州レベルでは、州の人権法にもとづいて消費者が苦情を申し立てる制度があり、都市交通における問題は州のレベルで対応している。ただし対応の程度は各州で異なる。

 

表3-2-6 CTAが調停した(formal complaint)件数

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