そのため、道路関連予算を公共交通関連予算へ振替えることも可能となり、その点で画期的である。しかし、実際には流用が可能になったフレキシブルファンドの実施率は、ISTEAの時期における実績で流用可能額の5%程度であり、それほど多くはない。また、公共交通への流用が期待されるが、公共交通政策は基本的に州政府レベルの態度が大きく影響する部分であり、交通事業体によってこの予算への評価が分かれている。TEA21における公共交通および高齢者・障害者のモビリティに関する重要項目は表2-2-2に示した点である。
TEA21は会計年度で1998年から2003年までの陸上交通予算の枠組みである。基本的に、会計年度1992年から1997年までのISTEAの内容を引き継ぐものであるが予算規模で40%増加している。こうした法律は授権法といわれ、この法律が連邦資金の支出の根拠になる。毎年の予算はこの授権法のもとに予算法として承認されることから、TEA21が事実上、今後6年間の陸上交通関連の予算を規定したことになる。
予算のうち、道路関連の1,619億ドル、公共交通の363億ドルは他の資金として流用できないとする制限条項が新設されている。TEA21におけるフレキシブルファンドの位置付けを図2-2-3に示した。
TEA21に関連した事業計画がいくつか策定されており、以下のものが挙げられる(表2-2-3)。