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これにより、新規に導入するバス、鉄道車両にはアクセシブル化が義務づけられた。駅については、まず主要な25駅をキーステーションとして決定し、整備を進めることとした。アメリカでは700の駅について、リモデル(アクセシブルにするための駅舎改造)を行う予定である。なお、ADAはアメリカ人だけでなく、障害をもつ人がアメリカにきたときにも広く適用されるものである。

 

(4) 政府レベルの取り組み

 

1]「陸上交通効率化法」(ISTEA)と「21世紀に向けた交通平準化法」(TEA21)

 

ADA制定前後の政策的な背景の変遷、これまでの法制度の流れを受けて、交通分野に関連する法律としてISTEA(アイスティー:Intermodal Surface Transportation Efficiency Act of 1991:陸上交通効率化法)およびTEA21(ティー21:Transportation Equity Act for the 21stCentury:21世紀に向けた交通平準化法)が挙げられる。ISTEA1991は6年間有効の時限立法である。1998年に継続せずに名称および内容の一部を変えてTEA21として制定された。TEA21は2003年までの時限立法である。近年のISTEAからTEA21への移行における公共交通政策の変化については公共交通にとって大きな転換点である。

 

表2-2-2 TEA21における公共交通および高齢者・障害者のモビリティに関する重要項目

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TEA21の大きな特徴(アイスティーからの引き継ぎも含む)として、予算を部門間でやりとりできる点が挙げられる。施策の統合化(Integration)が強調され、TEA21の全予算の77.5%という莫大な予算規模を誇る道路局(Highway Administration)予算の一部が、混雑解消やエアクオリティのチェックに使いやすい流用可能資金(Flexible Fund)として位置づけられ、予算の柔軟化が図られた。

 

 

 

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