これらのターミナルのアプローチにおける問題点は、当該ターミナルの主たる就航旅客船の規模が大型船の場合は比較的少なく、小型船では多かったが、規模に関わらず問題のあるケースはみられた。
また、離島と本土を運航する航路では、本土側のターミナルでは問題点が少なく、離島側のターミナルでは多いといった傾向もみられた。
4-4-4-2-2. 乗船券の購入
乗船券の購入における問題点は以下の通りである。
1]乗船券の購入箇所付近に誘導・警告ブロックの敷設がないケースが多い
2]券売機に点字表示がないケースがある
○ 乗船券の購入は、券売機を使用しているケースと有人の窓口で対応しているケースとがみられた。大型船では、有人の窓口で対応しているケースが多いが、高齢者や障害者のための特別な窓口を設置しているケースはなかった。しかし、現状では窓口の利用人数が鉄道、バス、航空機等の他モードに比較して少ないケースが多いため、特別な窓口の設置がなくとも高齢者や障害者等の利用上の問題はないと考えられる。
○ 小型船では、生活のための航路が多く、券売機の設置がされているケースが多かった。券売機への点字表示がされていないケースがあり、視覚障害者が乗船券を購入することが困難という問題点があった。
○ 小型船では乗降時に桟橋上や船内でも船員等が乗船券を発券しているケースが多く、券売機が利用できない高齢者や障害者等は桟橋上や船内で乗船券を購入するという臨機応変な対応をしているケースが多く、こうした場合には利用上の問題点は少ないと考えられる。
○ 乗船券の購入場所付近に誘導・警告ブロックが敷設されていないケースが多く、視覚障害者の乗船券の購入場所へのアクセスが困難という問題点があった。
4-4-4-2-3. 改札
改札における問題点は、以下の通りである。
1]改札口の幅員が車いすで通過できる必要最低限の有効幅を確保していないケースがある
2]改札口付近への誘導・警告ブロックが敷設されていないケースがある
3]改札口付近の案内表示がわかりにくいケースがある
○ 改札口を設置しているケースは、大型船の就航しているターミナルにいくつかみられる程度であり、中型船、小型船では少なかった。