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4-4-4-2. ターミナルの問題点

 

4-4-4-2-1. アプローチ

 

ターミナルのアプローチにおける問題点は以下の通りである。

1]ターミナルの出入口までの段差解消がされていないケースがある。

2]ターミナルの出入口のドアが自動ドアでないケースがある。

3]ターミナルのアプローチにひさし等が設置されていないケースがある。

4]ターミナル出入口付近に誘導・警告ブロックの敷設がされていないケースがある。

5]ターミナルの出入口の幅員が車いすで通過できる最低限の有効幅を確保していないケースがある。

6]ターミナルの案内設備が整備されていないケースがある。

7]高齢者や障害者が利用可能な駐車スペースからターミナルヘのアプローチがスムースにできないケースがある。

 

○ 旅客船ターミナルにおいて、段差を登ってアプローチする必要があるにもかかわらず段差をスロープにより解消していないケースがみられた。段差解消がされていないと車いす使用者がアクセスできないばかりでなく、高齢者や車いす以外の肢体不自由者、視覚障害者等がつまずいて転倒する危険があると考えられる。

○ 旅客船ターミナルは海に隣接した場所に設置されており、周囲の道路、駐車場等の面よりも少し高い位置に設置されており、ターミナル施設は陸上施設よりも激しい風雨等にさらされる可能性があるため、出入口のドア等は常時閉められているケースもあった。出入口のドアは、自動ドアでないものが多く、車いす使用者や車いす以外の肢体不自由者等が独力で開閉が困難であるといった問題点もあった。

○ アプローチの屋外部分は、陸上施設よりも激しい風雨にさらされる他、強風時には波しぶき等にさらされる可能性があるが、ひさし等の設置がないケースがあり、傘をさして移動することが困難な車いす使用者や肢体不自由者がぬれてしまうといった問題点もあった。

○ ターミナルの出入口の付近には、視覚障害者の移動に必要な誘導・警告ブロックが敷設されていないケースがあり、視覚障害者のアプローチが困難であった。

○ ターミナルの出入口の幅員は、車いすが通過できる必要最低限の有効幅である800mmが確保されておらず、車いすでのアプローチが困難なケースがあった。

○ ターミナル周辺のアプローチ空間やターミナルの出入口付近におけるターミナルの場所を示す案内表示や図記号等が設置されていないケースがあり高齢者や知的障害者、外国人にとってターミナルの位置の確認が困難といった問題点があった。

○ 高齢者や障害者が旅客船ターミナルに自家用車等でアクセスする場合には、ターミナルの出入口に最も近い部分に専用の駐車スペースを確保することが望ましい。しかし、専用の駐車スペースが確保されていないケースや専用の駐車スペースが確保されていても駐車スペースからターミナルの出入ロヘのアプローチの動線上に段差があり車いすによるアクセスが困難なケースがあった。

 

 

 

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