○ 改札口の幅員が車いすで通過できる必要最低限の有効幅である800mmを確保していないケースが見られたが、こうしたケースでは車いす使用者は別の通路を使用して、ターミナル内施設を通過せずに直接桟橋等の舷門付近まで案内するといった対応をしており、今回のケースでは実質的には利用上の問題点はなかった。
○ 改札口付近への誘導・警告ブロックの敷設がされていないケースがあり、視覚障害者が改札口へアプローチすることが困難であるという問題点があった。
○ 改札口付近の案内表示は、旅客船の運航に関する情報(行先、出航時間、運航の可否等)、改札口の位置を示す情報等についての表示がわかりにくいケースがあり、高齢者や知的障害者、外国人が運航に関する情報の認識が困難、改札の位置の確認が困難といった問題点があった。
4-4-4-2-4. 旅客通路の移動
旅客通路の移動における問題点は以下の通りである。
1]2階以上の舷門から船舶に乗降するターミナルで垂直移動機器の設置場所が動線から離れており、利用しづらいケースがある
2]誘導・警告ブロックの敷設がされていないケースがある
3]動線上において段差解消がされていない箇所があるケースがある
4]ターミナル内の案内表示がわかりにくいケースがある
5]ターミナル内で図記号等の表示がないケースがある
○ 2階以上の舷門からボーディングブリッヂ等を使用して、乗船するターミナルは大型船が就航しているターミナルで多くみられたが、エレベーター等の垂直移動機器の設置はすべてされていた。
○ 舷門からエレベーター等の設置箇所までの移動距離が長く、車いす使用者や車いす以外の肢体不自由者、高齢者等がエレベーター等を利用するには長い距離を移動する必要があり、身体的な負担となっているという指摘があるケースがあった。
○ 視覚障害者のターミナル内での移動に際しては、誘導・警告ブロックの敷設に誘導・警告ブロックの敷設がされていないケースが多く、視覚障害者にとって旅客通路の移動が困難であるケースがあった。
○ 旅客通路の動線上では、段差のある箇所が見られるケースもあったが、スロープ等の設置がないケースがあり、車いす使用者の移動が困難であるばかりでなく、高齢者や車いす以外の肢体不自由者、視覚障害者等がつまずいて転倒する等の危険があると考えられる。
○ ターミナル内の案内表示については、行先、出航時刻、乗船桟橋等を示す情報提供表示器の設置がないケースもあった。また、ターミナル内の施設をわかりやすく表示した図記号や英文表記等の設置がされていないケースがあり、知的障害者や外国人等にとって行先、出航時刻、乗船桟橋、施設の位置等の確認が困難であるという問題点があった。