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(b) 運転時分を削る余裕の無い場合(超過密運転の場合)

・対策案4: ドア開時の車上-地上間情報伝送遅れ時間の短縮(より高速化など)

・対策案5: 車両ドア開の早期化

車両ドア開の開始を早め、車両ドア開特性のバラツキの平均値でホームドア開特性と一致させる。(即ち、ホームドアの開口幅が車両ドア開口幅以上とする考えを止めて、バラツキによっては車両ドア幅以下となることやむを得ずと割り切る考えの導入)

・対策案6: ドア閉時の車両ドアに対するホームドアの遅れを無くす

この場合、車ドアが閉ったために、乗車を諦めた旅客がホーム側に戻る逃げ道を確保するために次のような方策が有効と考えられる。

1]ホームドアが閉じても、すり抜けて逃げられるようドアに隙間を設ける。

2]ホームドアが閉じてもホーム側に向かってのみ自力で抜けることが出来る構造とする(双方向で無く、一方向のみ自力回転可扉のようなもの)。

(2) ラッシュ時の混雑駅対応

超過密運転の場合、ラッシュ時は尻押ししてドア閉めをして運用している駅がある。

このような駅にホームドアを設置した場合、車両ドアとホームドアの2つのドアを開け閉めしなければならなくなる為、いつまで経ってもドアが閉まらず列車が発車できないことや、乗降の邪魔になるのではないかということが懸念される。

一方、閑散時の乗降客、ことにお年寄りや移動制約者の安全を守る為にはホームドアは有効である。

このためラッシュ時の混雑駅対応としては、混雑の程度にもより一概には言えないが、ホームの安全確保策としてホームドアを設備するがラッシュ時あまりに混んでしまう駅においては、混雑時一つの方法としてホームドアを開きっぱなしにして、駅員等の人手を従来通りかけて乗降対応をするというやり方があろう。

混雑する扉は駅によって限られていて、すべての扉が開閉時間で問題になるわけではないと考えられる。開け放しにするにしても、混雑する扉の数箇所だけに限定することも可能と考えられる。さらに、扉毎にアラームを発生させることも効果を期待できると考えられる。

上記はホームドア設置による乗降時間の拡大を懸念したものであるが、これとは逆にホームドアが設置されることにより無理に乗り込むことが阻止されることも期待できる。

ホームドアの設置により、扉にはさまれて車両扉の再開閉が生じなければ、大きな遅れが生じにくく、団子運転の発生のきっかけが無くなる可能性も考えられる。

 

 

 

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