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4.2 ホームドア導入検討時の諸問題と対応策

既設線でホームドアを導入しようとするとき、特に都市鉄道で多く存する懸案事項として、共通のいくつかの問題がある。ラッシュ時の混雑駅対応の問題、ホームの通路幅の問題等である。以下に、現状におけるこれらの問題と対応策について考察を示す。

 

4.2.1 停車時分とラッシュ時の混雑駅対応

(1) 停車時分

列車の駅停車時、車両ドアおよびホームドアの開閉動作の概念の一例を、図4.2-1に示す。図4.2-1は、ドア開時においてはホームドア開後に車両ドアを開、ドア閉時においては車両ドア閉後にホームドアを閉とし、かつ列車停止位置・ホームドアの開閉時間特性のバラツキを全て考慮する例であるため、2秒程度のロスが生じる。

 

054-1.gif

注: t1〜t3は、順序を含めて−

(1)本図は想定したモデル例を示す。

(関係する機器の時間的な特性、同期の考え方により一律ではない)

(2)破線−はホームドア無しの特性を示す。

実線 はホームドアありの特性を示す。

(3)t1は車上〜地上間伝送遅れ時間を示す。

t2はホームドアに同期させるための調整時間を示す。

t3は車両ドアに同期させるための調整時間を示す。

(4)旅客がドア通り抜けを諦める開口幅を400mmと仮定した。

 

図4.2-1 駅停車時分概念の一例

 

駅停車時分が延びることの対策としては、以下のような方法を考える必要があり、これら通常考えられる範ちゅうの工夫により2秒のロスは殆ど解消可能と考える。

(a) 駅停車時分を延ばす場合(運用方法でカバーする方法)

・対策案1: 延びた分を折り返し駅停車時分短縮でカバー

・対策案2: 延びた分を駅間走行速度を上げてカバー

・対策案3: 延びた分を対策案1と対策案2とでカバー

 

 

 

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