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車両床面はホーム面より若干高く設定してあり、ホームドアを設置したことで車両床面とホーム床面との段差に気付きにくくなるおそれがある。

これに対しては、ステッカー、点滅ランプ、音声やチャイム、注意放送による注意喚起、ホームドア部、戸袋部のパイプフレーム化、ガラス化による視認性向上、さらには段差解消工事などが考えられる。

(8) 車両とホーム端の間の床面隙間に気付かない(2枚ドア間の床面隙間)

ホームドアを設置したことで車両とホーム端の間の床面隙間に気付きにくくなるおそれがある。また、曲線ホームではこの隙間は大である。

これに対しては、ステッカー、点滅ランプ、音声やチャイム、注意放送による注意喚起、ホームドア部、戸袋部のガラス化、さらには開発を要するがホームドアと連動する床面隙間解消機構の設置が考えられる。

なお、曲線駅にホームドアを設置する場合、ホームドアは建築限界外方に多角形で設置することになる。この場合曲率によって、車両単位や各ホームドア単位に多角形で構成することになると考えられる。

(9) 発車時の2枚ドア間の閉じ込めに気付かない(2枚ドアによる封じ込め)

車両ドアとホームドアの2枚のドア間への閉じ込め防止としては、光電管や支障物検知板などの支障センサを設置し閉じ込めを検知する方法が考えられる。

なお、支障センサーは建築限界により設置位置が制限されるので、光電管の場合には図4.1-1のように子供が車両側に張り付くような場合に検知可能かの寸法関係のチェックが必要である。特に曲線駅では限界が拡幅されるので注意を要す。また、支障センサーの設置により列車出発のための条件成立が若干遅れることとなるので、停車時分に影響しないような工夫を要す。

 

052-1.gif

図4.1-1 2枚ドア間の閉じ込め

 

さらに、上記のような点検知のバックアップとして映像監視によりカバーする方法も考えられる。この場合、曲線ホームでは、2枚ドア間の空間をカバーできるようにカメラ設置位置を決める必要がある。

(10) 2枚ドア間の異物(細紐状)の挟みこみ(2枚ドアの細紐挟みこみ)

混雑時、または駆け込み時に細紐状のもの(ポシェット、イヤホーン、傘など)が挟まり、危険な状態が想定される。

 

 

 

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