2.3 ホームドア試作機の設計、製作
2.3.1 目的
昨年度は、低コスト、省スペースで、既設駅に設置容易な構造のホームドアを実現すべく主要要素を試作し、要素技術の確立を図った。
今年度は、ホームドアの普及促進のために低コスト化を目的とした軽量化を図るとともに、幅広の車両扉への対応や列車停止精度条件の緩和のため、次の3点を考慮した試作機の設計、製作を行った。試作後、試作機の強度確認を行い、設定した強度確認を行い実用化の見通しを得ることを目的とした。
(1) 水平方向の耐荷重軽減
本体ドア部あるいは戸袋部に正面から力が加えられた場合の耐荷重を軽減する。
(2) 本体自重の軽減
本体ドア部および戸袋部の重量を軽減する。
(3) ホームドア開口幅の拡張
本体ドア部の幅を広くし、ドア開口寸法を拡幅する。
2.3.2 試作開発腰丈式ホームドアの設定条件
試作開発腰丈式ホームドアの条件は、以下の条件を設定した。なお、電動車いすの衝突については、低い荷重条件下での性能把握を主眼とし、衝突荷重は考慮せずに開発することとした。
(1) 水平荷重
水平荷重は980N/m(100kgf/m)とする。
(2) 水平荷重と変形
水平荷重と変形の関係は、ドア閉時に荷重をかけて荷重を除いたときに変形がないことする。
荷重をかけたときのたわみ量については、各種材料の使用を可能とすることを考え、特に規定しないこととする。
(3) 水平荷重と開閉動作
ドア開閉動作時に荷重が加わったときに開閉可能とするかどうかについては、特に規定しないこととする。
2.3.3 設計、製作における考慮点
試作機の設計、製作においては、昨年度の開発成果である駆動部分を採用し、水平方向の耐荷重および本体自重軽減による軽量化構造と、ドア開口幅の拡幅に重点を置き開発を行った。