(4) 実績面からの検討
駅の跨線橋等の側壁、側手摺り、モノレールのホーム前面柵の使用実績についてみると次の通りであり、980N/m(100kgf/m)の設計に起因する不具合は特に発生しておらず、腰丈式ホームドアの水平荷重を980N/m(100kgf/m)に設定しても、特に問題ないものと想定される。
(a) 跨線橋等の側壁、側手摺り
側壁、側手摺りとも980N/m(100kgf/m)の設計に対し、旅客に起因する不具合等は発生していない。
階段部分についても同様に旅客に起因する不具合等は発生していない。
(b) モノレールのホーム前面柵
モノレールのホーム前面柵は、前面柵は危険範囲を示すものとして980N/m(100kgf/m)の水平荷重が働くものとして設計されているが、980N/m(100kgf/m)であっても、旅客に起因する不具合等は発生していない。
(5) 衝突荷重
ホーム上で腰丈式ホームドアヘ旅客が衝突することを想定した場合、最も厳しい条件と想定されるケースは1台の電動車いすが時速6?/hで衝突する場合と考えられ、この衝突の荷重を考慮しておくべきであると考えられる。
(6) 腰丈式ホームドアの水平荷重の考え方
以上の検討から、腰丈式ホームドアの水平荷重については、次のように取り扱うことが考えられる。
(a)旅客の行動面から、腰丈式ホームドアは側圧を受けるものとして取り扱うことが考えられる。
(b)腰丈式ホームドアが受ける側圧は、もたれ掛かり時の荷重および跨線橋、階段、モノレール前面柵の実績から、ドア頂部(1200〜1300mm)で980N/m(100kgf/m)を考慮すればよい。
なお、風荷重については別途設定する必要がある。
(c)衝突荷重としては電動車いすの衝突を考慮しておくべきであると考えられる。
(d)旅客の不安全行為に対しては、抑止のための注意銘板、注意放送、監視などを行うことが望ましいものと考えられる。