大都市福岡まで20分という地の利もあって、ここ10年ほどは高層マンションの建設ブームがつづき、若い世代の入居があいついだ結果、保育所待機児童が後をたたないという困った現象がつづいています。
団地の中はご多分にもれず、コンクリートの建物が林立するだけで、緑にとぼしく、味気ない環境があるだけですから、せめて私たちの園だけでも花や緑を増やし、少しでも心なごむ環境を地域の人たちにも見てもらうことが大切だと思い、「心のふるさと」をモットーに、心やすらげる温かくやさしい雰囲気を作るよう心がけてきました。
四季おりおりの草花がいつも咲きみだれ、実のなる木々が、春にはいっせいに花を咲かせ、道行く人をなごませてくれればいいなと思ったからです。
そのためには、外を通る人々の目を、高いフェンスや生け垣で遮ってはいけません。まだ「地域に開かれた保育園」という概念を強く意識していなかった時代に造ったフェンスが、古くなって危険でしたし、内側に植えたカイヅカイブキが目隠しをしていましたので、思い切って赤レンガ造りの低い外壁に改造しました。
外を通る人に、園内をのぞいてもらうためのシカケです。
毎日のように、そこを通れる方たちから、「バラがきれいですねー」とか「姫リンゴがいっぱいなりましたね」などと声をかけていただくと、子どもたちの味方がまた増えたと思って、嬉しくなります。
とにかく、地域になくてはならない存在になろうと、園の外から私たちの園を見てみました。