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ある日、「あそび塾」に来ている子どものお父さんが、大きな交通事故に会いました。お母さんは病院に通わねばなりません。さいわいなことに「遊び塾」の仲間が声をかけあって、かわりばんこに子どもの世話をしてくれました。

しかし、1日、2日はいいのですが、何日もとなると、自分の子どもも小さいので、大変です。

さっそく、園に相談があり、子どもを入所させるための手続きをとりました。その子は、塾に通っていたおかげで、すっかり園の職員と仲良くなっていたので、スムーズに園生活に溶けこむことができました。

お父さんは1年近くの入院生活になりました。私たちは、その子が泥んこになって遊ぶ姿や、友だちと仲良く食事をとっている姿などを写真やビデオにおさめ、機会あるごとに届けました。

お父さんは今でもリハビリ中ですが、両親とも大変安心され、療養をつづけておられます。一方、園に対する信頼感が、その話を見聞きした人たちから伝えられ、保護者の間に広がっていきました。

地域に開かれた園をめざすには、まず地域の方々の信頼を得ることが大切だと思います。

私たちの園は、昭和51年4月に開設されました。周囲はできあがったばかりの住宅公団団地。4階建てのビルが立ち並ぶかたわらにポツンと残された田圃を整地して、園舎が立ちあがりました。

わが市は、福岡市と太宰府市にはさまれた、人口86,000人の中堅都市です。

園のすぐ近くには、急行が停まる西鉄電車とJRの駅があり、車で5分も走ると、福岡都市高速道の入口と九州自動車道太宰府インターがあります。駅前保育園といってもおかしくないほど交通の便の良いところです。

 

 

 

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