日本財団 図書館


自分が言われた通りに他人がしないと気がすまない性格が高じたのでしょうか。

そのお母さんは、しだいに育児不安が重なり、入院されることになりました。幸い、その方の子どもは、何度か園にかよっているうちに、保育士にも慣れていたので、スムーズに入園させることができました。もっと早くから園開放をしておけば、育児ノイローゼも防げたのではないかと悔やまれます。

 

親子でお茶会

園開放の時間は、朝10時から12時までです。

11時過ぎになると、担当保育士(1名)が、お茶菓子や飲みものを準備します。担当保育士は、全職員がまんべんなく担当できるように、スケジュールが組まれています。天気の良い日は、子どもの外遊びが主なので、野外ステージや園庭のテーブルなどでおやつをサービスします。

お母さん方は、時間になるとそれぞれが分担して、遊具を片付けたり、子どもの手足を洗ってあげたり、おやつの準備を手伝ってくださいます。最初のうちは、そうはいきませんでした。皆さんが集団としての自覚に欠け、目は自分の子どもだけに向けられがちです。しかし、回を重ねるごとに、子育てグループとしての連帯感が育ったのでしょうか、人のために何ができるかを考え、積極的に自分ができることを見つけて役に立とうとする姿勢が見受けられるようになりました。

核家族化し、孤立化の度合いを強める現代の社会の中にあって、小さいながらも、このような子育てコミュニティーが形成されることは、極めて大きな意義があろうと思われます。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION