日本財団 図書館


独りで子育てをしているお母さんにとっては、「子どもって、ああいう風に遊び、いろんなことを学ぶんだなー」と考える実地経験の場でもあります。

私たちの園では、毎週火曜日の午前中、3歳以上児が近くのスイミングプールに出かけます。その合間を利用して、園庭開放日とすることにしました。それからまる2年、口コミで広まって、参加者がだんだん増え、今では、0歳から3歳までの子どもを連れて、毎週25名前後のお母さんが来園されます。それは、それはにぎやかな火曜日です。

 

ママサロンは花盛り

子どもが遊びに興じている間、サロン風の事務室は、お母さん方のゆとりのコーナーになります。その時を待ってましたとばかり、いろんな話に花が咲きます。

話題は主に子どものしつけに関する問題や、ゆとりをもった子育てがしたいこと、父親が育児に参加しないことへの不満などです。また、排泄のしつけや、おやつづくりの情報が飛びかったりする時は、とても楽しそうに会話がはずみます。

一人ぼっちのお母さんは、子どもといっしょに少し離れた場所で遊んでいますが、子どもがどんどん他の友だちの中へ入っていくので、軽く頭をさげながら近づいていくと、近くにいるお母さんから話しかけられ、「何歳ですか」「○○歳です」などと答えるうちに、友だちつきあいがはじまります。

少々育児ノイローゼ気味のお母さんは「先生、あのお母さん、子どもを立ったまま見ています」とか「座って一緒に遊んであげていません」などと言いつけにこられます。私が「まだ、今日来られたばかりの人だから、そのうちお母さん方のやり方を見習って育っていかれますよ、心配しないで」というと、不満げながらも納得されます。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION