近隣の公私立の保育園と実施日が重複しないように話し合いで調整し、利用者がいつでもどこかの保育園で、子育て支援活動に参加できるように配慮しているということも、この地域の事業の特徴といえます。
事業をはじめた動機
公園で行う「なかよし広場」は、昭和63年に特別保育科目の「異年齢交流事業」を実施して、それを発展させたものです。はじめは未就園児と保育園児たちとの交流、あるいは未就園児同士の交流を目的としていましたが、しだいに親子の交流、母親同士の交流、職員と母親の交流へと発展していきました。そして子育て支援事業としての役割を担うようになってきたのです。
当時は、保育園の職員が公園で紙芝居をしたり、人形劇や手遊びをするなどということは珍しい光景で、地域の人たちもはじめは事業の趣旨が分からなかったように感じました。何やっているんだろうと思われていたようでした。
また、もうひとつの事業「あゆみくらぶ」は、最初から子育て支援事業を目的としてスタートしたものです。当時は「エンゼルプラン」が示されて、少子・高齢化社会に対応するために、保育園での子育て支援の必要性が高まってきていました。そうした中で、静岡市は平成6年後半から「遊び・子育て・おしゃべりサロン」という子育て支援事業を計画して、公私立60ヶ園の中から7ヶ園が試行的に行おうということになりました。当保育園としても、新興住宅地で人間関係が希薄という地域の環境を考えて、その事業に取り組んでみようと考えたわけです。