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(4) 事業を実施したことによるメリット

この仕事の大切さは、時間をかけて職員の中に浸透してきたと思われますが、まだ全員に理解されているわけではない、というのが現実です。訪れる親子の様子を見せてもらえることは、家庭保育をしている親の状況も理解できるということでもあります(こちらの大きな勉強にもなる)。「様々な人の現場では、知ることが不可能な現実を等身大でつかむことができる」という職員の声もあり、大きなメリットとなりました。さらにオープンにしてクリアにしていくことで、何時でも誰でも保育を見ることができることにより、保育士も常に見られることに対しての日々の保育のなかでバランスの良い緊張感を持つことができます。今、学校の現場で、学級王国という言葉が見えない常識としてあることが、学級の崩壊を食い止められない要因のひとつにもなっているという現実に、逆行する状況を作るためにも大切であると思います。

今年は、音楽を演奏するプロの方が何組か園に見えられて演奏会を行いました。保育園では、経費的にも無理な方でも、子どものためにボランティアでやらせてくださいというお心に感謝します。この仕事が認知され毎日の支援が行政の仕事としてやられていることは、社会で子どもを育てていくという、認知へ向けての大きな一歩を共に歩むことにもなります。

 

(5) 私たちの展望

 

日本の四季ほど美しく素晴らしいものはありません。四季折々の季節の中ではぐくまれてきたもの、世代のなかで先輩たちが伝えてきた日本の素晴らしい子育ての知恵や子育ての文化があるはずです。私たち新潟の激しい冬の間にも、忘れることなく、しっかりと「希望の春」の準備があるように、飽きることなく繰り返す自然は、常に精一杯を尽くします。

 

 

 

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