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あくまで利用者に合わせてやらなければ、利用者の主体的な動きを支援する受け皿がなければ、開放のメリットは少ないと思います。親が自分のペースで動きだし、楽しい雰囲気に触れさえすれば、リズムを持った生活にめりはりがある、意欲的な子育てへと自らの力で変わっていくのです。最近は、祖父母がいっしょに訪れたり、すこし気にかかる子どもを持つ親が訪れたり、ますます様々な人たちが混じり合う場所となってきました。

 

<保育園でのあたりまえの子どもの育ちを見る>

園舎の中に入って自由に遊び、園で生活する子どもたちの日常の、当たり前の暮らしを見ることで(観察することで)見ている親も子育てを学びます。そこには、同じような子どもを持つ人同士ただいっしょに混じり合っているだけでも、いわゆる健康的な空気が生まれ、その場の感触が伝わるようです。閉鎖的で、見えないからこそ膨れていた「不安」が段々と消えていき、訪れる人たちの表情がどんどん明るくなっていきます。

 

<悪天候で引きこもりがちな時期に、居場所になる>

「ここへ来ると、実家にきたみたい…」といってくれる母親が時々います。新潟の天気は厳しく、家の中での育児をする時間も多くなります。それだけでなく、心の天気が悪い時だってあります。頑張りすぎて、人と会うことが少し疲れてしまう時、子どもの発育が悪い時、家庭の中がうまくいかない時、嫁姑の関係。生きているとは、楽しいことと同じくらい様々な困難もあります。ここに来ると、ほっとする。少しの間たんぽぽを、親子の居場所に使って、また、元気や勇気をだして帰っていく姿が見られます。

 

 

 

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