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子育て講座のあらまし―横内保育園、八幡保育園

ある集まりでのこと、赤ちゃんの機嫌が悪くなりましたので、「おしっこが出て気持ち悪いのかしら?」と伝えましたところ、「えっ、子どもっておしっこ出たら気持ち悪いんですか?」と驚いたような反応がありました。他のお母さんたちも知らなかったとのことです。

おむつがぬれたら気持ち悪いだろうという思いやりは、乳幼児期の母子関係にとって極めて重要なことですが、生き物としてごく自然の感覚に基づいた思いやりが失われつつあるかのように思えます。

また、育児についての知識を持つことが解決に繋がることはありますが、感情ある生き物である母、そして子どもとの生身同士のかかわりは、それだけでは解決とならずかえって知識どおりにいかないことにつまずきを大きくしてしまうことがあるようです。人間関係の不得手なお母さんが子育てに悩んでいるのは確かなことです。私は、育児書に書かれている内容をお母さんたちの生き物感覚、体験をとおして理解してもらえるよう心がけています。

ともに地域育児センターの指定を受けている横内保育園、八幡保育園から依頼を受けての子育て講座は、テーマ、回数などその依頼に応じて実施されます。地域性、予想される参加者、テーマを深めるきっかけとなるプログラムなどについてあらかじめ園と打ち合わせます。

どのようなテーマであれ基本的なねらいは、1、母子のより良い関係 2、母が自分自身のあり方に気づいたり、自覚する 3、母同士が安心してホンネで出会う をその場で体験していくことにあります。

 

 

 

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