私は必要に応じて、「安心でき楽しいと自分から動き出すみたいですね」とさりげなく母に伝えます。
・話し合いに発展することも
そのような交流の中で、「子どもの要求に応えていたらわがままになりませんか?」という率直な質問が出ることがあり、他の母にも関心があるなら一緒に話し合うきっかけとなります。「ティッシュを箱からどんどん出して楽しそうなのだけど困るし、いけないことを教えなきゃならないし…」という声に、「うちもそうよ」との声。この『うちもそうよ』は、とても安心できる言葉です。「そんなときどうするの?」と問い掛けてみますと、「ほっておくの」、「怒っちゃう」……、そのうち「空になった箱にハンカチを入れて、あなたはこれよっていう」とグッドアイデアがでて、「すごい!」との声が上がります。
お母さん同士で問題解決する援助も大切な私の役割です。「私は子どもにうるさすぎるのかしら」と自分の姿勢を振り返る余裕が生まれたりするのは、この様なひとときからが多いようです。
子どもが保育園入所となった後、時折ひとりで一息ついていくお母さんや、遠方への里帰り日程を調整してまでも参加される母子もいます。
・お母さんの持っている力を出し合って
高村保育園は、地域育児センターの指定を受けていないため、職員の協力を得ながらも現在は、私一人が担当しています。手の回らないことも多くなりますが、しかし同時にこれはプラスの要因にはたらくことがあります。
粘土遊びの上手なお母さんが、はじめは我が子相手に、そのうちまわりの子どもにも、魔法のように驚くほど色々なものを作り出してくれますし、折り紙を用意した時には、昔の記憶をまさぐりながら、「こうだったかしら」、「あ、できたわ」とそれぞれが童心に返って穏やかな雰囲気に包まれます。