日常と心理的に距離のある面接室でのカウンセリングと違い、保育園での子育て支援が日常の場、日常のレベルであることを自覚しつつ、私は、相手の状況に合わせながら押し付けがましくない程度に、しかし積極的にこの姿勢をとっています。
高村保育園でのサロン的援助
高村保育園は地域育児センター指定園にはなっていませんが、3年前から月2回の午前中、園庭と園舎の2階を地域に開放しています。
麦茶とコーヒー、紅茶を用意して親しみあるサロン的な場を心がけ、毎回15組前後の母子が遊びとおしゃべりのひとときを過ごしています。
・心のキャッチボール
不安そうな子どもをせっかくだからと遊びの中に押し出そうとする母には、「ママのそばがいいのね」としばらく一緒に見ていることを勧めます。1歳の子どもでもこの声かけにはホッとするようです。他児の遊びに関心をもち、やがて自由に遊びはじめます。慣れない子どもとかかわるのに便利なのは、布でできたボールです。名札を見て、「○○ちゃん、どうぞ」とそっと転がしますとほとんどの子どもは受け止め転がし返そうとします。まさしく心のキャッチボールの始まりです。
・いっぱいけんかして上手な仲直りを
子どもたちの動きが活発になってきますと、必ず起きるのがおもちゃの取り合いです。お母さんたちは、「いけません」、「貸してあげなさい」と声かけますが、子どもの激しい感情に役立ちそうもありません。