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育児不安や子どもの発達、母自身、家族関係について気軽に専門的な相談の場があるのは基本的に重要なことです。やがて地域に園を開放する開放保育が定着してきますと、子どもとお母さん、お母さん同士のコミュニケーションが見えてきます。和やかで微笑ましい風景がある一方で、子どもの動きに無関心、あるいは過干渉、マニュアルどおりの子どもを期待したり、孤立したままの母子がいます。人間関係の苦手な母に育児不安や子どもの問題がおきやすいといわれますが、稀薄で表面的なコミュニケーションの改善は、個別の相談活動とともにときにはそれよりもはるかに日常的に心の通い合う関係作りに役に立つ援助のように思えてきました。

 

予防的アプローチとして積極的に心がけていること

1] 子どもとお母さんが安心できるよう、気持ち、存在をまるごとありのまま受け止める。

2] 子どもの気持ちを通訳するかのようにお母さんに伝え、母が子どもの心を理解するのを促す。

3] 遊びを通して子どもの発達を促す、さりげなくよいかかわりのモデルとなる。

4] 子どもの発達について母の理解を促す。

5] 子育ての主役であるお母さんの潜在的能力を引き出し、自信をつける。

6] お母さん同士の心理的コミュニケーションの機会を提供する。

これらを、相手を心から尊重し、受容・共感しようとする姿勢によって信頼関係を築いていくこと、その結果として相手が自発的、主体的、創造的となるというカウンセリングの基本のうえに心がけています。

 

 

 

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