(6) 保育園の地域子育て支援の一員として
神奈川県平塚市・湘南福祉センター
臨床心理士 加藤恵子
はじめに
私は、平塚市内において10年あまり前から心理職の立場で、保育園地域子育て支援事業にかかわるようになり、現在は勤務する診療所と法人を同じくする複数の保育園、また法人を異にする保育園で活動しています。
診療所や学校(文部省スクールカウンセラー)で、さまざまな心の問題を抱えた人たちとお会いしていますと、問題が起きて専門家のところにいく事が大切なのはもちろんですが、問題が生じないように、あるいはより小さい問題で済む予防的手だてはなかったのだろうかと残念に思います。
子どもから大人まで心の危機といわれている今、さまざまな専門機関、専門家が予防的意味合いを持って地域に溶け込むこと、特に乳幼児期の子育て支援の大切さを痛感しています。ですから思いを同じくする保育園の子育て支援に何らかの形で協力させていただくことは、私にとって願ってもないことです。
保育園はそれぞれの伝統や地域性を生かしながら独自に子育て支援事業を実施していますので、私はその一部分を園の要請に応じて担当することになります。
ここでは、保育園と一緒に模索しながらやっている活動について、私の立場から具体的に報告します。
当初は、園も私も直接援助を求められての育児相談をイメージしていました。