「ひろば」の間、参加者の子どもたちは、別の1名の保育士が保育をしています。その間に参加者が作品を完成させる流れの中で、作品以外の事、育児の事、家庭の事、趣味の事など参加者同士話がはずみ、心に余裕が生まれてきます。最初は、参加者同士目と目を合わすのもぎこちなかった様子が、終わりの頃は“井戸端会議風”になります。お互い育児を相談し合ったり、情報交換することで育児に対しての肩の力を上手にぬく工夫が生まれています。「いいのよ、いいの。そんなに家事上手にやらなくっても」そんな先輩母親の助言が励みになる時もあります。話す人がいることが大切です。担当者は毎回、参加者同士が広い範囲で接することができるよう、参加者に毎回名札をつけていただいています。机の上に置く時、その名札の位置を毎回変えるよう配慮しています。子どもたちは保育士と一緒に砂場遊びや粘土遊び、普段家では遊べない遊びを体験し、「ひろば」終了後の母親たちの「一緒に遊ぼう。おいでぇー」の声も聞こえないぐらい子ども社会をつくり上げています。
親子サークルをする時は無邪気に母親に抱っこされたりして紙芝居に見入ります。その後室内でもできる遊びを担当者が紹介し、帰りの時間を迎えます。その時、参加者に、保育士が「ひろば」活動中の子どもの様子を知らせるようにしています。「かけっこ速かったですよ」「トイレで上手にうんちできましたよ」などの一言で、子どもは得意そうに親を見上げ、親子でニッコリ笑顔でお帰りです。家庭内とは別の角度で我が子を見るいいチャンスの時間が「ひろば」にはあります。