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そろそろ終わりの時間となると、子どもたちは園庭へ遊びに行きます。親たちも安心して遊べる場所と思っているようで、ゆっくり帰り支度をしています。そのうち参加者の中から「あそこのアパートに小さい子を持つお母さんがいるけど、外で子どもが遊んでいる姿を見たことがないわ。今度声をかけてサークルに誘ってみては」という声が上がり、新しい人が参加するようになりました。施設利用者が単に施設を利用するだけでなく新たな人間関係を作りだしてくれるきっかけとなりました。

卒園生の親たちが作っている骨髄バンクサークルは施設を利用しているボランティアサークルなのですが、その中から育児中の母を支援するという目的の「くらふとひろば」という別のサークルが生まれました。「ひろば」は、地域の方や卒園生、在園生の親が参加し、月2回土曜日午前中活動しています。毎回20名位の方が参加していますが、1名の担当者とその回ごとの2名のリーダーのお母さんが中心となり作品をつくっています。材料等は保育園で用意することもありますが、各家庭の不用品を活用することの方が多いです。2時間という限られた活動時間の中で簡単に作れる物を選択するように配慮をしています。

平成11年度の年間活動計画の一例として、

ポプリたまご(卵のからの利用)

雪だるま(紙粘土とかまぼこの板)

布でつくるりんご(はしきれ)

クリスマスツリー(園庭に落ちている枯枝)

陶芸

などです。

「どうして作品造りが中心なのですか」と疑問に思われる方がいらっしゃると思いますが、これは、参加者を登録制にし随時申込受付けをしているため初対面の方も多いので、物づくりという共通のテーマを共有することにより、初対面でも何らかの話すきっかけが生みだしやすいようにと計画してみました。

 

 

 

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