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一つは平成5年度からの育児相談件数の急増です。この意味は核家族化と転勤族の増加、働きばちの父親たちが家庭を顧みる時間が無かったことが要因と思われます。

二つ目は、人気育児雑誌の創刊の年でもありました。あふれる育児情報による育児不安が相談室に寄せられたのではないかと思います(全国的な統計をとった訳ではありませんので偶然なのかもしれませんが)。

そして三つ目は育児相談の内容そのものの変化です。育児のノウハウに関する相談ももちろんありますが、平成6年頃より増えてきたのが、保育園や幼稚園への入所に関することや一時預かりについてです。出生率は低下していますが、保育需要は高まってきました。保育園が児童福祉から保育サービスへ重点を置いた保育を求められ始めた時だったのかもしれません。女性労働力の需要の増加と育児より社会参加をという、女性の生き方そのものの変化なのでしょうか。

若葉保育園が地域子育て支援センターとして園庭開放を中心とした活動を始めた当初、園庭には時には、50組を越える親子が来ました。1人で2〜3人のお子さんを連れてくると園庭は優に100人を越える日が続きました。この状態では子どもたちも伸び伸び遊べないし、まして育児相談を受けている暇もなく、子どもたちの安全だけが気懸りになります。こんな状況から、1か所の保育園での支援は無理がある、もっと身近な保育園を利用するようになれば、人数も分散され、お母さんたちも伸び伸びと遊べるようになるだろうということで、市内の保育園の連携が始まりました。段階を経て現在、花巻市の公立保育園の全部と民間保育園の一部がそれぞれできる範囲での支援が定着してきました。若葉の園庭も利用者が20組前後となり、園庭での育児相談にもゆっくり応じることができ、平和が戻ってきました。

 

 

 

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