日本財団 図書館


何とも痛ましい限りです。保育園での子どもたちを見ていると実に些細なことでけんかします。けんかというより自己主張のぶつかり合いなのですが、このけんかが如何に子どもたちの精神を鍛え、集団生活のルールを学び、相手の子の気持ちを理解する機会になるか、自主協調の精神はまさに、けんかのなかから育つといっても過言ではないように思います。これからの子育てに必要なことは同世代の子ども同士の関わり合いと、自分の子をしっかりと叱れる(怒るのではなく)モラリティを親自身が持って欲しいことです。

子育ては、親も子も日々新しいことの発見の連続です。驚いたり喜んだり、感心したり、戸惑ったりしながら共に育ち合うのです。育児はかけがえのないこと、「今」しか体験できない喜びや楽しさがたくさんあります。そんな日々が実感できるようなアドバイスを目標にスタッフも皆さんとともに学んでいきたいと思います。

以上が抜粋です。この冊子には載せませんでしたが、育児ノイローゼもありました。件数は少ないのですが、電話がくると1時間は要します。専門の方より「決して励ますことのないように」との指導を受け、時には涙声の相談に胸を痛めながら、訴える内容を受け止めることに徹しています。内容はお話しできませんが、定期的にかかってきます。話すだけ話せば気持ちが落ち着くというケースが殆どですが、現在までで1件だけ虐待のあったケースを専門機関に連絡しました。

この10年の間に相談の内容も様変わりしてきました。昭和60年度から平成10年度までの相談件数と内容を分析してみると大きく三つの傾向が伺われます。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION