でも、赤ちゃんは日一日と形態を増大させ、成長していかなければならないのです。世の中お金で解決できない事はほとんどなくなったのですが、夜中の授乳だけは何ともなりません。お説教しそうになる気持ちを抑えながら母乳の大切さを話し、「あと5、6か月だからお母さん頑張って」と励ますしかなかったのです。他には、多量の下痢をしている子におなかに良くないと分かっていても、泣いて欲しがるからとアイスクリームを与えてしまう心細いお母さんもいます。こういった内容の相談は、ほんの少しですが、母性本能の揺らぎを感じました。
小児保健について
年間200件を越える相談のなかで、やはり目立つのが健康に関することです。熱が高かったり、引きつけたりするとすぐ病院に行くのですが、少し気になる箇所があって、様子を見てよいのか病院にいった方が良いのか迷った時、「そうだ、育児相談室に聞いてみよう」ということになるようです。実際の状態を見ているわけではないので、断定的にお答えすることはできません。比較的多いのが予防注射に関することで、これは保健センターと連携しながら看護婦が丁寧に応じています。他には、医師に診てもらいつつ電話をくださる場合があります。医師の説明不足から理解しないまま不安が募っており、第三者の意見を聞いて安心したいというのが本心のようです。お母さんの不安を上手に解消してくださる先生もおりますが、時々お医者さんに叱られたといってしょげたり、怒ったりしてお電話をいただきます。専門分野に関わることなので慎重に事態を把握し、お母さんの感情の高ぶりを一旦落ち着かせ、どうしても心配なら、もう一度主治医に聞いてみることをお勧めしています。