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そして、悩んでいる状況が改善された親子の生き生きとした表情を見ることで、私たちの役割の効果が少しずつ実感できるようになってきました。スタッフは育児相談に関する研修会に参加したり、専門の先生方の本を読み回したり、ラジオの育児相談の受け答え方を聞いたり、ケース研究を繰り返して日常的な自己研鑽に努めてきました。育児相談を受ける際には、どんな些細な事でも不安に思っているお母さんの気持ちをしっかり受け止める事を基本とし、お母さん自身に十分にお話していただくことで、自ら解決の糸口を見つけられるように心がけてきました。特に子どもの問題行動については軽はずみなアドバイスはかえってお母さんを混乱させる結果となります。「お母さんは何か思い当ることはありませんか?」と聞いているうちに「そういえば最近私が忙し過ぎたからかもしれません」とか「些細な事で叱る事が多過ぎたからかも知れません」とか心当たりがでてくるようです。気づいていただく事が相談を受ける側の役割でもあると思います。

育児相談室を開設して5年目(今から10年前)に「家庭と育児相談室」というタイトルで、当時、相談の多い順に育児に関する考え方をまとめたものがあります。読んでいただく対象は子育て中のお母さんや保育園で育児相談を受ける職員、若葉保育園のご父兄の皆さんでした。対象を絞りきっていないので取りとめがありませんがご紹介したいと思います。

 

はじめての赤ちゃん

人生のなかの大事業だったお産もすんで赤ちゃんとお家に帰ってきたお母さん。赤ちゃんがくしゃみをしてもしゃっくりをしても不安。

 

 

 

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