「保育の中の造形表現」
したことからの思いを描く
「あのね、こんなことしたんだよ」と、話したくて話したくてたまらなそうに自分の描いた絵を見せてくれます。そして、「これぼくよ、これお母さんよ、一緒に買物に行っているの」と話は続きます。
幼児たちは、生活の中でいろいろなことをしていますが、特に印象的なできごとについては、その思いを相手に伝えたくてしかたないのです。言語での表現が未だ十分でない時期でも、絵画による表現だと十分できるのです。描いた絵を見て話をつけ加えていけばよいわけです。
したことの思いを描く場合には、主として自分だけを描く場合と自分と他の人物を描く場合とがあります。指導にあたっては、「この子はどちらの表現をしたいのか」を考えて、いろいろたずねてみるとよいでしょう。いろいろお話をしてくれます。
また、したことの思いは、自分だけの生活からの場合とクラス全員の共通したできごとからの場合があります。導入の時に、どちらを表現させたいのか、どちらでもよいのかをはっきりしておきましょう。