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提案要旨

期待される乳児保育

淡川節子(東大阪市児童部保育室管理栄養士)

 

東大阪市は、昭和50年より産休明け保育に取り組みました。一園だけでしたが、この年同時に産休明け保育検討委員会が行政ペースで組織されました。各職種代表が、各々の立場から0歳児保育について意見をのべ、まとめられた「産休明け保育に対する部の考え方」が、昭和51年に出されました。「T保育所の実践をふまえ『調乳・離乳食は保育内容の一環』として位置づけ0歳児担当保育士が、離乳食の中期食までは調理員の全面協力を得て自ら作り与えるのがよい」というものです。

それ以降、離乳食献立表も準備期・初期食・中期食・後期食とその日の給食材料+別購入で、作成するようになりました。

昭和52年からは、栄養士が主体となって、0歳児担当保育士、調理員を対象とした離乳食学習会をスタートして現在に至っています。内容は「離乳食って何故必要なの?どうすすめてゆくの?どんな調理方法なの?どんな味なの?」というものから冷凍母乳の受け入れ・咀しゃく力の発達のしかた・アレルギー児への対応・保護者むけの講習会の交流・各園での悩みの交流と学び合い等々です。そして平成8年には厚生省から「改訂・離乳食の基本」が、出されました。それにもとづいて市としても使用する食品の検討等みなおしをして、現在に至っています。

平成11年12月に新エンゼルプランが、大蔵・厚生・自治・文部・労働・建設の合意で策定されました。低年齢児の受け入れのさらなる拡大・多様な需要に応える保育サービスの推進(在宅も含めた)等々をふまえた緊急少子化対策と少子化対策臨時特別交付金の各市町村への交付等国も、やっと大きく動き出しています。それに比して「食」をめぐっての国の施策は、まだまだ及び腰です。食事やミルクを与えない乳幼児虐待・環境ホルモン・遺伝子組み換え食品の増大等々、日常“口”にする食べ物の殆どを輸入に頼ってしまっている現在、今一度、21世紀を担う子ども達にとって「今、あるものを、どんなふうにして、どう利用し、どう活用してどう与えてゆくのがよりベターなのか」、是非とも皆さんと一緒に、原点にもどって考え直してみたいと思います。

 

 

 

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