今後、会員各社の社内ネットワークが整備され、ネットワーク対応のシステム利用が可能となると、評価用暫定版に対して意見が出された、CSVファイルの受け渡しや、基本情報の配布等に関する操作の煩わしさがなくなるだけでなく、管理データの一元化が可能となり、リアルタイムに手元のパソコンから日報データ等の登録や集計等が行えるようになる。
また、本システムはスタンドアロン向きのMS-Accessをデータベースに使用している。これをネットワークに対応させるためには、今後会員各社においてサーバ機でのデータベースの集中管理が可能となるように、そのネットワークに対応したOracle等のデータベース管理システムでデータベースを構築する必要がある。
さらに、システムの形態においては、現在社内ネットワークシステム構築の主流となっているイントラネット型(WWWシステム)に対応することも念頭に置く必要がある。(イントラネットシステムについては、本報告書「第2章-作業船運行管理情報システムの構築準備」の「2.2 技術的課題の整理」、および昨年度報告書「第2章-基本構想の策定」の「2.6.3 システム形態の現状」を参照されたい)
(3) セキュリティ対策
本システムにおいてはセキュリティ対策としてパスワードを設けている。しかし、このセキュリティも完璧なものではなく、作業者のパソコン上にデータベースが存在しているため、パソコン熟練者になると本システムとは別の手段でデータを直接見ることが可能となっている。上述した社内ネットワークが整備されれば、サーバ機にデータベースを集中することが可能となるため、利用者単位、およびシステム単位で利用者権限を設定するなど、確実にセキュリティ対策を施すことができる。
さらに、社内ネットワークにVPN等のインターネットを含んでいる形態においては、社屋内のLANの出入り口にデータの暗号化を行う等のセキュリティ対策を講じる必要がある。(これらの、ネットワークに関する内容は平成12年度に引き続き調査を行う予定である。)
(4) 情報化志向の醸成と情報活用力の向上
昨年度から実施している「海上起重事業等の情報システムに関する調査」では、主たる目的として、単に「作業船運行管理情報システム」を構築するだけではなく、本システムをベースに会員各社が情報化に向けた方向性を醸成することにあると考えられる。
こうした志向を持つことによって、会員各社が業務の効率化、コストダウンを目的として、その情報化すべき対象を見つけ出していくことが最も重要であると考えられる。また、そうなるために、各社が職員に対してそれらの情報を有効活用するための情報リテラシー(情報活用能力)の向上を図っていく必要があると考えられる。これに対して、当協会では本調査で会員各社にその動機付けを引き続き提供していく予定である。