国内輸送コストの削減には、輸送時間の短縮が大きく寄与すると考えられることから、特に県央・佐世保方面から長崎市中心部を通過せずに長崎市以東と連絡できるルートのアクセス道路(九州横断自動車道長崎線の延伸、国道324号出島バイパスの整備等)の整備を優先する。
また、アクセス道路の整備にあたっては、トラック事業者は、輸送コスト削減の観点から有料道路を利用せず一般道路を利用する場合が多いことに留意する必要がある。
【想定実施主体:長崎県、長崎市、建設省、日本道路公団 等】
6]混載サービスの充実
小口混載サービスの提供は、取扱規模の小規模な荷主に対して長崎港利用を促進する際、必要性が高いと考えられる。すでに長崎港においても韓国向けでは混載サービスが提供されているが、中国・上海向けなど他国・地域向けへのサービス拡大については、貨物量が少ないことから、船社等による提供が実現しにくい状況にある。
そこで、長崎空港において貿易関係団体によって小口貨物を取りまとめて混載輸送を行うサービスが実施されていることを踏まえ、貿易関係団体等の事業として、もしくは海貨業者等の共同事業として、アンケート調査で利用ニーズの比較的高かった中国向けを中心に混載サービスを提供し、長崎港周辺の取扱規模の小さな荷主企業の長崎港利用を促進する。
【想定実施主体:長崎県貿易協会、長崎港活性化センター、港湾関連事業者 等】
7]燻蒸施設の稼働再開
長崎港における農水産品等の輸入を促進するため、また既存施設の有効活用という観点からも、現在稼働中止状態となっている燻蒸施設について、地元住民との合意を形成し、早期の稼働再開を図る。
【想定実施主体:長崎県 等】
8]見本市・商談会の開催、ビジネス・マッチングの実施
神戸港においては、神戸市等を主催者とする日中間の商談会を開催しており、1998年の第1回では137件、約19億円、99年の第2回では436件、約35億円の商談が成立している。このように、商談会の開催は、地域が主体的に取り組むビジネスマッチングの契機として有効であると考えられることから、中国等からの輸入品の見本市や商談会を開催し、長崎港周辺の貿易業者の購買活動を支援するとともに、長崎県(中国・福建省および上海市)・長崎市(中国福建省・福州市等)の姉妹都市交流をベースとして国際経済交流を促進し、長崎港における輸出入貨物の拡大に資する。
その際、長崎空港の立地する大村市において、FAZ(フォーリン・アクセス・ゾーン:輸入促進地域)計画に関連して展示会が開催されていることから、これとの連携を図り、航空貨物・海上貨物を含めた貿易の促進を図る。
【想定実施主体:長崎県、長崎県貿易協会、長崎港活性化センター、JETRO 等】