11.2 誤作動対策への取り組みの実例
妨害波による誤作動は、原因を見つけることが困難な場合が多く、更に、空間波と伝導波が重複する場合もある。ついては、原因が分かれば対策が容易になる。
その上、機器は電動機のように信号線がないものと、センサーのように信号があるものでは対策が異なり、シールドやアースだけでは対策ができない。
それらを含め、アンケートの形で現場の状況を調査した。
「電磁波による誤作動対策への取り組みの実例」
質問1. 誤作動した経験がありますか。
・IEC60945で試験中に誤作動したことがある。フィールドでは無し。
・信号線の誘導ノイズや電源ノイズにより誤作動した経験はあるが、再現が困難。
・インバータ装置において、外部の周波数設定信号(4〜20mA)にノイズが混入し、インバータ電流に過電流が発生した。
質問2. 誤作動の原因を解明できましたか。
・現象が再現しないので、推測によって対策を施した。
・機器の誤作動ではないが、アナログ計測データが振れて困ったことがある。
(CEマーク対応無し。)
・電源電圧は、規定内であれば起こらない、又静電気は、アース電流が流れるルートを強化する。
・信号線には、シールド線を使用していたがそのアース処理が不適当であった。
(2点接地となっていた)→1点接地とすることにより解決できた。
・機器の誤作動はイミュニティによるものなので下記の対策を行った。
1]電源-アースラインの強化及びフィルタによる対策
2]放射対策としてシールドの強化(間隙対策)
質問3. 国際規格(CE規格等)を超える妨害波が発生したか、その時どんな対策をとったか。
・センサーのシールド線の接地を外したら(浮かしたら)、ふらつきが無くなった
・エミッションの多くは発振回路にある(Xtal、スイッチング、伝導等)対策としては周波数に対応するフィルタ又は電流の流れるルートを変える。
・ケーブルのシールド(シールドを下手に行うとかえってひどくなる)
・CE規格などは近時になっての問題であり、計測器の準備がないのが実状であった。
・妨害波の定量的測定は経験なし。