外国語の利用が必要であると認識されている団体の中では「英米語」の利用度が高い団体の数が圧倒的に多いが、都道府県においては「ブラジル(ポルトガル)語」の利用が高いとする団体と「韓国(朝鮮)語」の利用が高いとする団体の数が、それぞれ6割を占めている。
外国語を利用することはあるが、「職員に特に語学的能力を求める必要はない」とする意見が都道府県の消防・防災部門、人口20万以上の市の公営交通部門等の一部で見られるが、いずれの団体区分においても、人事・研修部門においてはそのような意見は見られない。
(B) 職員に求められる語学力以外の資質・能力
(外国語以外には何を習得するのか?)
語学能力の必要性に次いで、「異なる風俗習慣・宗教など異文化・価値観の相違を理解する資質」が必要であると、全ての団体にわたって、特に人事・研修、国際交流・国際協力関連部門において強調されている。
また、全ての団体の国際交流・国際協力関連部門、都道府県の広報・広聴及び保健・福祉関連部門、ほとんどの団体の病院及び交通関連部門では「外国人との接し方・プロトコール上の知識」が重要であると指摘している。
さらに、町村を除く全ての団体の人事管理及び国際交流・国際協力関連部門、都道府県・指定都市の広報・広聴関連部門、指定都市・特別区の病院関連部門においては「外国人の人権尊重などへの関心と理解力」の必要性が強く認識されている。
以上のほか、都道府県の約3分の2近くの人事管理部門においては「国際的な取り決め、関係国内法制など仕事に関連するグローバルな基準ないし手続き等についての実務上の知識または経験」が必要と考えられており、人口20万以上の市のうち4割程度の団体の人事管理部門でも同様の考えが見られる。
その他、約半分の都道府県及び3分の1ほどのその他の団体において「環境保護など地方行政に関係ある諸外国の事情、国際的な動きなどグローバルな知識ないし関心」が職員に求められるとの見解がそれぞれの人事・研修担当部門で述べられているほか、「郷土の歴史・日本文化についての識見」が必要という意見が都道府県市町村のうちそれぞれ2割ないし3割程度の団体の人事・研修部門で広く見られる。
また「世界史の知識」が必要との指摘も人口20万以上の市にある。
これを職場・職域別に見てみると、次のような一般的傾向がある。
(国際交流・国際協力関連の職場・職域)
この職場・職域では、普遍的に求められている「外国語の知識・能力」のほか、「外国人との接し方・プロトコールの知識」「異なる風俗習慣・宗教など異文化・価値観の相違についての理解力」が、都道府県市町村の別なく、広く一般的に求められている。