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◆はじめに

 

◆ 人道緊急事態で、UNHCR職員は軍と活動する場合がある。その相手は国連軍(ブルーベレー)、国連からの任務を受け活動する国軍や地域機構軍、または他の国軍や地域機構軍であったりする。

◆ 人道機関はニーズにのみ応じた中立・公平な活動をし、外部からもそのように活動していると見られなければいけない。人道機関は国連によって認められた軍事行動に対しても独立性を維持する必要がある。

◆ 各事業活動では、状況、軍の種類、必要とされる軍と民間の関係、に応じた調整の仕組みを作る必要がある。

◆ 国連平和維持活動局(DPKO)は、国連のあらゆる平和維持活動と、軍との国連の関係についての全面的責任を負う。

 

1. 軍との協同活動は、時として人道機関に機会と困難の両方をもたらす。

 

2. 軍は、軍独自の資源と判断が許す範囲でのみ、あるいは援助の方法や対象に関してなど、軍が持つ人道援助提供の権限の範囲でのみ、人道機関への支援ができる。

 

国際軍事行動の法的枠組み

3. 国連憲章に定められているように、国連の目的のひとつは、国際的な平和と安全の維持である。国連憲章は、この特別な任務を安全保障理事会にゆだね、第6章と第7章では目的達成のために取りうる措置を規定している。

 

4. 紛争の平和的解決に関する国連憲章第6章は、紛争当事者の行動について、実行可能な勧告するよう安全保障理事会と国連総会に命じている。同章にもとづく平和維持活動は、少なくとも理論上は、紛争当事者の合意に基づき開始される。

 

5. 強制措置に関する第7章では、安保理が「平和に対する脅威、平和の破壊、又は侵略行為」の存在を判断した場合、紛争の強制的解決を認めている。第42条では、「国際的な平和と安全を維持・回復するために必要な場合」は、軍事力が行使されることを規定している。

 

◆軍の種類

 

6. UNHCRが関係、ないし直面する軍は以下の通り。

i. 国連軍(平和維持軍)

ii. 国連の指揮下で活動する地域機構軍その他の軍

iii. 地域的な軍事同盟(北大西洋条約機構〈NATO〉や西アフリカ諸国平和維持軍〈ECOMOG〉など)、臨時連合軍

iv. 国軍

v. 国軍以外の軍事組織

 

国連軍

国連平和維持軍

7. 国連軍(「ブルーベレー」)は通常、監視団または平和維持軍のどちらかに該当する。これらの国連軍は、派兵を希望し、かつ全紛争当事者が認める国の兵士によって構成される。

 

8. 監視団は、主に軽武装した将校で構成され、政治外交的な仲裁を支援するために、軍事状況を把握することが主たる任務となる。

 

 

 

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