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◆はじめに

 

1. 本章の目的は、緊急事態でUNHCRが実施すべき基本的な管理運営(administration)上の手続きと行動について、一般的な手引きを示すことである。本章は現行のルール、規則、指示、とりわけUNHCRマニュアル(UNHCR Manual)に代わるものではない。最新版の『緊急事態管理官チェックリスト(Checklist for the Emergency Administrator)』(以下、「チェックリスト)は、緊急事態における管理運営の重要な参考資料であり、三部構成になっている。

i. 実際のチェックリスト。付表1に収録。

ii. チェックリストの付表(大型フォルダー)。主に、最もよく使われる管理運営書式の見本とUNHCRマニュアルの抜粋。

iii. 多数の書式を収めたコンピューター・ディスク。

本章全体で、チェックリストの関連項目に触れていく。

 

2. 本章では、特に緊急事態で新事務所を開設する場合を扱うが、既存の事務所を拡張したり、準事務所や現地事務所を開設する場合も役立つだろう。

 

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救援物資の取扱いに関する規定など、緊急事態事業の特別な考慮事項が政府の救援物資援助要請やプロジェクト合意に関する交換文書に定められる(第8章参照)

◆緊急事態での職員配置

 

(チェックリストのPersonnel, Staff Conditions and Security 〈人事・職員の労働条件・安全〉の項参照。Staff Rules and the Staff Administration and Management Manual、CD−ROMのInSiteデータベースも参照のこと。)

 

はじめに

4. 事務所の責任者は、予想される一般職・専門職の要員数を、所定の人事手続きに従って検討し、緊急事態の職員配置を承認するのに必要な詳細と共にできるだけ早く本部に報告する。緊急事態用の待機職員から選ぶのは初期段階だけにする。役職設置前の初期段階では、臨時雇いとして地元職員を採用し、報酬を支払うことができる。

 

5. 必要な人事の投入に遅れがあってはならない。ただし、人員を補充するだけでは緊急事態の組織的ニーズは満たせない。事業計画と任務の内容が必要な人員(personnel needs)を決定するのであり、その逆であってはならない。小人数でも任務が明確に割り当てられていれば、任務が明確でない多人数のチームよりうまく機能することが、経験から分かっている。

緊急事態では、任務のあいまいな補充要員は管理部門の負担を重くするだけだ。

人事は柔軟に。人数は時間が経つとともに変化する。

 

1 UNHCRのRefworld CD-ROMに収められている。

 

 

 

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