31. 各区域は柵や塀で囲み、帯状地(排泄場所)には仕切り板と浅い溝を設けてプライバシーを確保し、できれば鋤(すき)を置く。排泄物に灰や石灰、あるいは土をかけるだけでも、健康被害のリスクを減らせる。この区域は、地表を流れる水で汚染が起きない場所に置く。溝を掘って、流水が排泄区域に入らないようにする。
32. 難民向けに広報活動を行ない排泄区域の利用をうながし、住居や給水設備付近では排泄しないよう呼びかける。各排泄区域には少なくとも係員1人を置く。なるべく手洗い場所を近くに設ける。
システムの選択に関する基本的な考慮事項
33. 状況に合った排泄物処理システムを決めるには、多くの要因を検討しなければならないが、緊急事態では時間が決定的な要因となる。排泄物による環境汚染と、それに付随する全てのリスクは、すぐに衛生対策を講じなければ防げないので、緊急事態のごく初期段階は、選択肢が非常に限られている。
34. 最も差し迫ったニーズを満たすための一時的なシステムは、できるだけ早く改善するか、または他のシステムに置き換え適切な衛生基準を維持しなければならない。
緊急事態の衛生対策は、まず実行し、後で改善すること。